SSブログ

上野で美術鑑賞(ゴッホ展) [たえの日記]

17日の日は東京上野へ行ってきました。
昼食で向かったのは老舗のお蕎麦屋さん”上野藪そば”
アメ横の中を通り、ようやく着いた先、角地にこじんまりとしたお店。
DSC_1135.JPG
店内は若干狭いながらも2Fまであり、通されたのは2階の奥の席だったので、
割とそこはゆったりと食べることが出来ました。
私が注文したのはかき南ばん。
DSC_1133.JPG
お値段1619円+税と、ちょっぴりお高めでしたが、
牡蠣は今までに食べたこともないような大きいのが3個。
焼き牡蠣ながら中は少し半生状態でしたがとても実がふっくら。
つゆの味は若干濃めでしたが、お蕎麦は喉越しが良く、とても美味しく頂くことが出来ました。

お腹を満たした後は今日の本題、まずはゴッホ展です。
DSC_1137.JPGDSC_1138.JPG
今回のテーマは巡りゆく日本の夢。
今回の展覧会は大きく分けて第二部構成。第一部では日本の美術様式を取り入れた芸術運動である
ジャポニスムとゴッホの作品の紹介、第二部ではゴッホ亡き後、今度は日本人がゴッホを称賛し、
理想化するようになった日本人のファンゴッホ巡礼と題し、
その足跡を辿った日本の画家や文学者たちの著名が記されている芳名録と
著名が残る日本人の作品や関連資料が合わせて紹介されています。

第一部
<ゴッホとジャポニスム>
(1 パリ 浮世絵との出会い)
まずはパンフレットの表紙にもなった渓斉英泉(けいさいえいせん)の絵をもとにして
ゴッホが描いた”花魁”が飾られていました。
yjimage.jpg
様々な刺激を受けながら模索表現をしていたゴッホですが、その中でもゴッホは日本の浮世絵に大きな影響を受けたようです。ゴッホは浮世絵版画を模写し、油彩画を描くなどして日本独自のイメージを作り出しました。

(2 アルル 日本の夢)
ゴッホは特にジャポニズムの影響を置く受けた画家。
貧しい生活の中でも500点に及ぶ浮世絵のコレクションをするほどで
浮世絵と接することでさらに革新的な独自の絵画をも生み出すようになったようです。
今回の展示では、歌川広重や葛飾北斎の作品も数多くありました。
中でも大きく影響を受けたと言われる作品は葛飾北斎の”富嶽三十六景 神奈川沖浪裏”で、
今回出品は残念ながらありませんでしたが”星月夜”や”糸杉”などはその大波のタッチが
良く表れた作品だそうです。

(3 深まるジャポニスム)
日本の地に大いなる夢を抱いていたゴッホ・・
1888年2月には「フランスにおける日本」にあたる南仏へと旅立ち、
その地で、ゴーガンとの共同生活を始めました。
その期間はわずか一年程でしたが、彼にとっては最も想像力に満ち、
もっと幸福な時期だったようです。
そんな気持ちが表れているかのように、この頃の作品は黄色や青・赤や緑など、
対象的な色で描く、鮮やかで印象強いものでした。

寝室(1888年)
yjimage.jpg
タランスコンの乗合馬車(1888年)
たらすこん 大.jpg

(4 自然の中へ 遠ざかる夢)
しかしながらその幸福な期間は長くは続かず、
1888年12月、耳切り事件を起こしたのちはゴーギャンとの生活は崩壊、
その時に襲ってきた精神的な発作により、その後もゴッホは発作に襲われるようになってしまいます。
そしてその後日本も、急速に国家と現実に取り込まれ、もはや楽園ではなりつつあり、
次第にゴッホも日本の夢から覚めていったようです。

蝶とけし(1889年)
yjimageXO7ITWVI.jpg
下草とキヅタのある木の幹(1889年)
yjimage.jpg
ポプラ林の中の二人(1890年)
23164649_247755765755354_5440630610819284992_n.jpg
この絵の二人の姿はははっきりとしておらず、バックの景色も暗く覆われています・・。
消えかかる人影・・・暗い闇・・・
この絵はゴッホのその当時の気持ちの表れだったようにも受け取れるような気がします。
この後ゴッホは37歳という若さで自害してこの世を去りました。


第二部
<日本人のファンゴッホ巡礼>
yjimage.jpg
ゴッホ亡き後、その作品や生涯を熱心に紹介したのは小説家の武者小路実篤を始めとした
文学者や美術家たちだったようです。
彼らたちは、ゴッホの生の軌軸を求めてオーヴェールへと赴くことになります。
そして徐々に、絵画だけではなく、伝説・神話化されていくゴッホの生涯を追い求め、
その後も多くの日本人がその地を訪れたようです。
芳名録はその際に訪れた日本人が署名をしたものであり、全三冊、
それが今回、日本では初公開の展示になっていました。

その他ゴッホに影響をうけた画家の展示

前田寛治(1923年)
ゴッホの墓
vangogh2017032109.jpg
佐伯祐三
オーヴェルの教会(1924年)
a6eec536a1254b8f805547fc98f08aa3.jpg

とりわけ文学者たちは挫折・失恋・失敗などを繰り返した
ゴッホの悲劇的な生涯への関心が高かったようです。
なので今回は文学者の書籍の展示もされていました。

黒田重太郎”ワン・ゴオグ”
斉藤茂吉”ゴオホ 塀に囲まれた青野”
武場隆三郎”ファン・ホッホの生涯と精神病”など



今回の展覧会では、いかにゴッホが日本の絵画(浮世絵)に影響を受けていたのか、
そしてまた、日本人がゴッホの絵画や生涯に深く心を動かされていたのか、
そしてゴッホの悲しいながらの生涯の中、絵にかけ続けた想いを
大きく知ることができた気がしました。

できるだけ空いている時間を狙いたかったため、午後から出かけたので
ゴッホ鑑賞が終わった後は、外はだいぶ日も暮れかけていましたが、
その後は自然と流れるように国立西洋美術館で開催されている
”北斎とジャポニズム展”に向かいました。
画像 yahooサイトから引用
文 ゴッホ展”巡りゆく日本の夢”から一部引用


IMG_20171119_0001.jpg
ゴッホ展 上野・東京都美術館にて2018年1月8日まで開催









誰も知らないゴッホの真実が書かれた
話題の一冊










スポンサードリンク


人気ブログランキングへ
nice!(40)  コメント(6) 
共通テーマ:日記・雑感